サポート領域エンジニア座談会

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技術の砦だからこそ、
エンジニアとして成長できる。
サポート領域の極意。

お客様との長いお付き合いが財産のアシストにおいて、サポート領域のエンジニアが背負っている責任は極めて大きい。トラブル対応、困りごとの相談、製品活用法の提案など、サポート領域のエンジニアがいなければ10年、20年という長期に渡る関係は築くことができない。世間的な「コールセンター」とアシストのサポートは、一体どこが違うのか?サポート領域を知る3人のエンジニアがその秘密をひも解いていく。

MEMBER PROFILE

大野高志TAKASHI ONO

<エンジニア>
2007年入社。多くの人に役立つ仕事がしたい。そう考えた大野にとって、アシストだけが内定先だったわけではなかった。だが学生と向き合う姿勢が、アシストと他社ではまったく違った。入社後は、一貫してサポート領域のエンジニアとして勤務してきたが、改めて「多くの人に役立つ」ことを実感しているという。現在ではマネージャー職になり、新人育成のスキーム作りにも力を注いでいる。

寄川修辰SHUTA YORIKAWA

<エンジニア>
2011年入社。デザイン工学部卒業という異色の経歴を持つ寄川が、サポート領域のエンジニアとして働いたのは入社3年目の時。フィールド領域からの出向という形だった。その後、元のフィールド領域に戻ることになったが、サポート領域での経験は今でも生かされていると寄川は語る。サポート領域の仕事が研究型だとすれば、自分は狩人型かもしれない、と寄川は自己分析する。

鈴木香穂KAHO SUZUKI

<エンジニア>
2019年入社。大学の授業でITの基礎を学び、ビジネスインフラでもあるデータベースに興味を抱いてアシストに入社。希望が叶いデータベース製品のサポート領域に配属された。ジョブローテーション制度でいくつかの部門を渡り歩いている最中だが、本人は「サポートが好き」とのこと。モットーは、電話を切る際にお客様が気持ち良いと思ってもらえるようにすることだとか。

フォワード役のフィールド領域、
ディフェンダー役のサポート領域。
役割は違っても、一つのチーム。

大野
今回はサポート領域のエンジニア座談会ということだけど、寄川くんってサポートにいたのは1年間だけだったんだよね?
寄川
実はそうなんですよ。入社3年目位の頃に、フィールド領域とサポート領域のエンジニアを1年間交換してみようという試みがあって。
鈴木
1年間は長いですね。私も今、ジョブローテーション制度でいくつかの部門を回っているところですが、数ヵ月単位です。
寄川
1年は確かに長いかもしれないけど、担当したのが同じデータベース製品でもあったので、オモテとウラというか知らなかった側面に触れることができて毎日が新鮮でしたね。
鈴木
製品の提案から導入という「ビフォー」がフィールド領域、導入後の「アフター」がサポート領域。どちらも理解することで、製品の全体像も見えてきますよね。
大野
ちょうど入社3年目位だと仕事にも慣れてくる頃で、別の視点を注入する良い機会になったんじゃない?
寄川
記憶に残っているのは、夜にお問い合わせ対応をしていたら、ものすごい勢いでお客様に怒られてしまったことなんです。トラブルを復旧しなければならないのに、その段取りが分からずお客様をイラ立たせてしまったという……。その時にフォローに入ってくれたのが大野さんでした。

大野
えー、全然覚えてない(笑)。
寄川
忘れてくれていてありがたいです。僕も忘れたいエピソードなので(笑)。
鈴木
緊急度合いは様々ですが、お客様は何かしらで焦ったり困ったりしているからお問い合わせしてきているんですよね。
大野
解決方法を教えてあげるというよりも、一緒に解決方法を探しましょうという姿勢が大事だったりするよね。
鈴木
電話やメール、Webでの対応だとお互いに顔が見えないので、「寄り添っている」ことをどう伝えるべきなのかは、いつも考えさせられます。
寄川
姿勢だけじゃなく知識についても勉強になりました。担当製品についてはそれなりに分かっているつもりでしたが、サポートで受ける問い合わせはもっと細かくて実践的で。導入時の設定次第でその後のトラブルを未然に防げることがある、というのはサポート領域を経験したから学んだことです。
鈴木
製品導入当時のことについて、私からフィールド領域のエンジニアにヒアリングする機会もあります。同じ製品のエンジニアでも得意分野が違うというのはあるかもしれませんね。
大野
サッカーに例えるとフォワードがフィールド領域、ディフェンダーがサポート領域。同じチームの仲間として、それぞれがどのような動きをしているのか知ることは大事だよね。

キャリアの選択肢を増やす。
スキルの幅を広げる。
ジョブローテーションという制度。

大野
鈴木さんのジョブローテーションはちょうど寄川くんと逆のパターンで、サポート領域の人財として期間限定でフィールド領域を経験してきたわけだよね。どんなことを感じた?
鈴木
たくさんありますが、一番印象的だったのはフィールド領域では自分で時間の組み立てができる点でした。サポートはお客様から問い合わせが来てから応じるスタイルなので、そこは大きな違いです。サポート領域の業務に戻ってからも数ヵ月間の目標を順序立てて、自分なりに日々の業務に落とし込むようにしています。
大野
いいね、ジョブローテーションの成果が出ている。

寄川
フィールド領域のエンジニアは、提案に向けて自分のリズムで検証環境を作ったりデモを実施したりするから、時間の管理も大事なスキルかもしれませんね。
鈴木
サポート領域でも時間の意識は持っていますが、それはボールを渡されてからすぐにパスをするような感覚なんです。自分でボールを持ち続けてしまうとお客様に迷惑がかかってしまうので。
大野
エンジニアのジョブローテーションはつい何年か前に作られた制度で、エンジニアとしての視野を広げて、キャリアの幅も広げるというのが大きな目的です。
寄川
とても良い制度だと思います。以前は、職種の変更ってそこまでポピュラーではなかったけど、数ヵ月だとしても他部門での経験があれば、本人が描くキャリアイメージで職種が選びやすくなるはずですよね。
鈴木
私はこの2年で、データベース操作に使われる言語のトレーニング講師、実際のデータベース構築や移行支援と、フィールド領域2部門で業務を経験しました。どちらも私の糧になっています。
大野
2人はこの先、どんなキャリアを歩みたいの?
寄川
僕はやはりフィールド領域で技術力を磨いていきたいですね。自分は研究者タイプではない気がして(笑)。
鈴木
私はサポート領域が好きですね。短期集中で問題解決をする、そのリズム感が自分に合っている気がします。
大野
どちらも知る2人が、それぞれ違う志向を持っているのも面白いね。
寄川
大野さんはどうなんですか?
大野
私は立場上、サポート領域で成長するエンジニアを育てたいです(笑)。
寄川
2対1ですね(笑)。
大野
サポート領域はスキルアップの実感が得やすいんですよ。若い世代に向いているというのが私の考えです。

サポート領域のエンジニアは、
医者のような存在。
治療するには、まず原因を探ること。

寄川
それにしてもサポート業務では日々、過去に前例のないトラブルにも対処しなければならない。頭が下がります。
大野
実際には、アシストが長い歴史を通じて培ってきた各製品のトラブル解決事例もあるので、アーカイブを遡ればノウハウが見つかることも多いんだけどね。

鈴木
でも一方で、ソフトウェアはアップデートし続けるので、その度に新しい不具合は生まれます。ベテランになれば兆候や傾向から推察できることも増えると思いますが、私はまだまだ手探りです。
大野
実際にメーカーでさえ把握していないトラブルもあるので、難しいことは確か。その意味でアシストは、メーカーに製品の改善を投げかける立場でもある。
鈴木
メーカーでのバグ修正というスケールになると、数ヵ月単位の時間がかかることもあるし、逆に、単純なお客様のミスならその場で解決できることもある。エラー表示が出ていても業務には支障がないレベルのものもある。本当に色々ですね。
大野
サポート領域の仕事は、お医者さんと似ているんだよね。患者さんは「何だか具合が悪い」ということで病院に来る。でも、その理由はたくさんあり得るから、問診をする。風邪なのか、二日酔いなのか、より重篤な脳の問題なのか探る。理由が分からなければ治療も薬の処方もできない。
寄川
さっきから、たとえ話が超上手い(笑)。
鈴木
データベースの問題ではなくて、OSやネットワークやハードディスクに問題があるケースもあるので、幅広い情報を集めなければなりません。遠隔で支援するために、お客様と同じ環境を作って障害を再現するのもそのためですね。
寄川
大野さんもずっとデータベース担当でしたよね?
鈴木
ああ、じゃあこの3人は全員データベース製品に携わってきたんだ。
大野
データベースはビジネスの心臓部や脳のようなもの。アシストでも携わっているエンジニアは多いよね。
寄川
ECサイトにおける買物リストにしても、動画コンテンツのオススメ動画にしても、裏側ではデータベースが動いている。だから、意識していなくても現代人のほとんどの人々が、実はデータベースには触れていますよね。
鈴木
ビジネスのインフラになっているからこそ、導入企業にとってはトラブルが発生すれば致命的なダメージにもなり得るので、サポート領域のエンジニアは重い責任を背負っていると感じます。
寄川
僕たちフィールド領域のエンジニアも、そうした万が一の事態に備えるために、サポート契約をいつも推奨しています。
大野
データベースの重要性は、今後ますます高まっていくと思う。同時にデータベースは物理的なサーバにデータを蓄積する形から、クラウド型に移行もしている。新しい潮流を先取りし続けるのも、アシストのエンジニアの宿命ですね。

ブログ、動画、講演など多彩な活動。
顧客満足度93%に満足せず、
さらに「顔の見える」サポートになるために。

鈴木
そう言えば私、フィールド領域で働いていたときに、それまでメールベースでサポートしていたお客様と実際にお会いする機会があって、とても嬉しかったことを覚えています。「こんな人かな?」と想像していたイメージとは全然違っていて驚いたのですが、お客様をより知る良いきっかけになったなと感じています。
大野
それは大きなヒントになるなあ。今、サポート領域でも内部システムを刷新していて、コンサルティング営業の活動履歴やフィールド領域のアプローチ履歴を、より詳細に把握できるようにしているんだけど、お客様のプロフィールやキャラクターが掴めれば対応の品質も上げていけるよね。
寄川
「顔の見えるサポート」という話も、社内でよく聞きます。
鈴木
オンライン会議のようなツールも一般化しているので、今後、お客様との距離はもっと近づけられそうですね。
大野
サポートセンター発信で製品に関する技術ブログや動画を公開しているのも、サポート領域のエンジニアがフォーラムなどで登壇するのも、「顔の見えるサポート」を作るための手段です。
鈴木
大野さんは講演など、外向けの活動を一手に引き受けてらしてカリスマ的な存在です。
寄川
でもアシストのサポートは、既に顧客満足度がものすごく高いじゃないですか。
鈴木
顧客満足度93%という数字は胸を張れますよね。
大野
そうだね。93%は誇りに思って良い。でも私が目指したいのは、その数字を維持した上でさらに多くのお客様にサポートを利用していただくこと。どうすれば、まだアシストのサポートを知らない人にも価値を感じてもらえるか、常々考えているんだよね。
寄川
これまで以上に営業と、フィールド領域・サポート領域のエンジニアが連携していけると良いですよね。職種がいくつあるとしても、お客様から見ればアシストという会社は一つ。「OneAshisuto」は共通のテーマだと思います。